むし歯菌と脳血管疾患の関係|名古屋ビアンカ歯科・矯正歯科 浄心院|名古屋市西区浄心駅の歯医者

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歯科コラム

むし歯菌と脳血管疾患の関係|名古屋ビアンカ歯科・矯正歯科 浄心院|名古屋市西区浄心駅の歯医者

むし歯菌と脳血管疾患の関係

こんにちは 🙂 

名古屋市西区の鶴舞線浄心駅2番出口すぐ、名古屋ビアンカ歯科・矯正歯科 浄心院です。

 

 さまざまな所で、歯周病と全身疾患が密な関係性にあることが言われていますが、近年むし歯と脳血管疾患にも重要な関係性があることも分かってきています。

そこで今回は、むし歯菌が脳内微小出血を引き起こすメカニズムを理解することで、歯磨きは虫歯予防のためだけではなく、全身の健康管理のためにも大切であることを理解していきましょう。

 

むし歯菌の種類と特性

 

むし歯菌(S.mutans)は4種類に分類されます。(c/e/f/k型)

お口の中では、70~80%がc型、約20%がe型に分類され、残りの5%弱がfおよびk型に分類されます。この残り5%のfとk型のむし歯菌が脳血管に悪さをすることが分かっています。

 

むし歯菌は口腔内に出血が生じたとき(抜歯やお掃除、根の治療など)に、血液中に侵入します。歯の根の中には血管がたくさんあるため、むし歯を放置していると、むし歯菌が血液中に侵入するリスクが高まります。

通常、健康な状態であれば、血液中にむし歯菌が侵入しても、白血球などの働きにより、すぐに排除されるので大きな問題に進行することはありません。しかし、高血圧や生活習慣病などにより、既に脳の血管にリスク因子がある場合は、むし歯菌が血管内に付着してしまい、悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

脳内微小出血のメカニズム

 

4種のむし歯菌の型の中で、血管内で悪さを働くf/k型はコラーゲン結合能を持っています。このコラーゲン結合能を有するf/k型のむし歯菌が血液中に侵入したとしても、健康な脳血管にむし歯菌が付着することはありません。脳血管内に傷がある等の問題があり、血管内にコラーゲンが露出した場合、コラーゲン結合能があるむし歯菌が脳血管に付着します。(c/e型のむし歯菌はコラーゲン結合能が無いため、脳血管には付着できません。)

つまり、通常であれば、血管内に障害・出血・コラーゲンの露出が生じた場合は、血小板による止血後、フィブリンや赤血球などが集積することで治癒をしていきます。

しかし、f/k型のむし歯菌が血管内に侵入していると、血管内に障害・出血・コラーゲンの露出が生じた場合、むし歯菌がそこに付着してしまいます。その結果、血小板が障害部に集積できず、出血が継続します。その後は、タンパク質分解酵素の発現が亢進され、出血が悪化してしまうのです。

 

 

脳内微小出血は脳卒中や認知症のリスクに。。

脳内微小出血は、70歳以上の日本人の約15%に認められます。通常無症状で経過するため見過ごされる事が多いのですが、放置していると脳出血に発展するリスクがあります。

とある研究報告では、「口腔内にコラーゲン結合能を有するむし歯菌が存在した場合の脳内微小出血を発症するリスク」は「保有しない場合」の14倍になると明らかになっています。脳内微小出血が存在すると、コラーゲン結合能を有するむし歯菌が脳出血へと悪化させるリスクになると考えられるので、注意が必要です。

脳内微小出血は、ある疾患の合併症として脳血管疾患が存在することが多くあり、特に高血圧は脳血管疾患の主要なリスクファクターです。そのため、脳内微小出血や脳血管疾患と診断されたことがない方でも、コラーゲン結合能を持つむし歯菌を口腔内からできるだけ少なくする口腔健康管理はきわめて重要になります。

 

 

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